臨床工学課のご紹介
概要
1987年(昭和62年)5月27日、治療領域における生命維持管理装置の操作および保守点検を主たる業務とする臨床工学技士法が誕生し、現在当院では14名の臨床工学技士が従事しております。生命維持管理装置とは、呼吸(肺)、循環(心臓)、代謝(腎臓)の機能の一部を代行する装置をいい、主に手術室・集中治療室・検査室・透析室などで活躍しております。私たちのこころがけ
私たちは、患者さんが安全に検査または治療を受けていただけるように、年々新しく変わる医療機器や生命維持管理装置を扱う技術を積極的に講習・学会などに参加し、自身のスキルアップに励んでおります。また、救急対応できるように365日待機もしております。ペースメーカー業務
ペースメーカーとは 脈拍の遅くなる疾患に対し、体内に埋め込んで脈拍の補助を行う医療機械です。 心臓に指令を出す小さな機械と、それを心臓に伝えるための細い線が体内に埋め込まれます。-
- ペースメーカーの画像
- これがペースメーカー本体です。大きさは縦5cm×横5cm×厚さ7mmほどです。
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- プログラマの画像
- ペースメーカー本体のチェックや、動作変更を行います。
当院での取り組み
・年間50例以上のペースメーカーの埋め込みや電池交換の手術を行っています。 ・臨床工学技士は手術に立ち会い、プログラマの操作を行っています。 ・外来でのペースメーカーのチェック現在7社のペースメーカーチェックを外来で行っています。
実施日は毎月※第2、第3週の月曜日 14:00~17:00です。
※ 第2・3週の月曜日が祝日の場合は次週の月曜日へ変更となります。
人工心肺業務
●人工心肺とは 心臓内の手術を行うためには、全身から心臓へ帰ってくる血液を人工心肺装置と言う機械に集める必要があります。これを体外循環といい、そのときに使用されるのが人工心肺です。 人工心肺には、血液を送り出す心臓の役目をする人工心ポンプと、血液に酸素を与え、二酸化炭素を排除する肺の役目をする人工肺とがあります。 ●応用(補助循環) 人工心肺の他の応用としては、術後あるいは心不全時の循環補助(PCPS=経皮的心肺補助装置)、肺不全に対して数日から数週間に及ぶ長期の肺機能の補助(ECMO)などにも応用されいます。その他に当院では、大動脈内バルーンパンピング(IABP) という補助循環があります。-
- 人工心肺画像
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- IABP画像
高気圧酸素療法
●高気圧酸素療法とは 気密性の高い装置の中に気圧の高い環境を作り、その中で高濃度の酸素を吸入することによって体内の溶解型酸素を増加させ、体の症状の改善を図る治療法です。 ~当院で高気圧酸素療法を行う主な疾患~・ 閉塞性動脈硬化症(ASO)
・ ASOに伴う潰瘍
・ バージャー病
・ イレウス
・ 低酸素脳症
透析業務
●人工透析療法 人工透析とは、体内(血液中)に蓄積する有害な物質や不足する物質(電解質など)を人工腎臓を介し透析液と接触させることで除去、補給し体液のバランスを保つ治療法です。そのため透析液中に不純物や有害物質が含まれていると逆に体内に取り込まれることとなり、様々な合併症を発症させる原因となることがあります。 ●透析液清浄化への取組み 我々臨床工学技士は質の高い透析療法を患者さんに提供する為、透析液の水質管理を行います。平成22年4月、厚生労働省より“透析液の水質管理”について基準が設けられました。当院では厚生労働省が採用した、日本透析医学会の定める水質基準よりもさらに厳しい基準で水質管理を行っています。また透析液の状態を点検するために、定期的に透析液中の生菌数検査とエンドトキシン(発熱物質)値の検査を行うと共に、透析液が通るすべての機器管理の強化も合わせて行っております。 ●透析室 当院では、日曜日を除く週6日、午前・午後・夜間の3部透析を実施しております。ベッド数は31床で、アーム式の地デジ対応テレビが各ベッドに設置されています。ME機器管理
院内では様々な機器が使用されており、機器の保守点検・稼働率調査を行い、常に機器が安全に作動するようにしています。 ●主な機器-
- シリンジポンプ
- シリンジに入った薬剤を、少ない量でも精密に体内に送り出す装置です。(TERUMO社製 TE-331S)
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- 人工呼吸器
- 呼吸機能が低下した場合、また手術後にまだ目覚めていない患者の皆様に対して、呼吸の代わりをする装置です。 (PURITAN BENNETT社製 ベンチレータ840)
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- 輸液ポンプ
- 点滴で薬剤を使用する時に、速い速度でも確に体内に送り出すための装置です。
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- 除細動器
- 正しい動きをしなくなった心臓に、電気ショックを与えて、正しい動きに戻す装置です。 (FUKUDA電子社製 FC-1700)