DPC制度について
DPC制度は、日本では平成15年に導入された急性期入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度のことです。DPC制度では、疾患やその症状、治療行為をもとに、厚生労働省が定めた「診断群分類」(Diagnosis Procedure Combination:DPC)に基づいて、1日当たりの定額医療費が決定されます。 適用対象は、入院医療費のうち、入院基本料、投薬、注射、画像診断などで、これに、従来通りの出来高払い方式(診療行為ごとの点数をもとに計算する制度)部分の手術やリハビリなどの料金を合算して計算されます。DPC点数表による算定においては、診断群分類は「医療資源を最も投入した傷病」により決定されます。一入院中に複数の傷病に対する治療を行った場合でも、対象患者の入院全期間を通じて人的・物的医療資源を最も投入した傷病名に基づき、診断群分類を1つだけ主治医が選ぶことになります。 「医療資源を最も投入した傷病名」が確定すると、その分類に対してどんな手術や処置等が行われたか、またどんな併存症(定義副傷病)が存在したかなどによって細分化され、14桁の診断群分類が決定されます。この診断群分類は、医療資源の同等性、臨床的な類似性、分類の簡素化・精緻化、アップコーディング防止などの観点から、臨床専門家で構成される診断群分類調査研究班による見直し案の報告、および改定前12ヵ月分の退院患者調査のデータに基づき、改定のつど見直しが行われています。
集計条件および集計方法
使用するデータ :DPC調査データ( 様式1、 様式4、 Dファイル ) 集計条件 :各年度(4月1日から翌年3月31日まで)の退院患者さまで、一般病棟に1回以上入院した患者 さまを対象とし、入院した後24時間以内に死亡した患者さまは集計対象外としています。 また、健康保険証を使用され入院された患者さまを対象に集計をしており、労働災害、自賠責保険、自費で治療を受けられたご入院患者さまは集計の対象外としております。
集計項目
病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
医療の質指標
- リスクレベルが「中」以上の手術を施工した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 血液培養2セット実施率
- 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率